シェンゲンビザ(短期訪問ビザ)とは?

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シェンゲンビザ(短期訪問ビザ)とは?

シェンゲンビザ(短期訪問ビザ)とは

シェンゲン協定について

シェンゲン協定とは1985年にルクセンブルクのシェンゲンで調印された制度で、主にEU諸国の国々での国境管理を廃止または簡略化について定めたものを指します。シェンゲン協定が導入されたことでシェンゲンビザと呼ばれるEU諸国共通のビザが発行されることとなり、現在でもシェンゲン協定の加盟国へ渡航する際はシェンゲンビザの取得が必要となっております。
元来、シェンゲン協定はヨーロッパ連合の加盟国における全ての国の同意を得ることが困難であったことから、ヨーロッパ連合外で制定されたものでした。
当時、イギリスとデンマークは協定に参加していませんでしたが、ノルウェーや他の北欧諸国の参加が認められるとデンマークもこれに加わりました。シェンゲン圏と呼ばれる地域のうち、ノルウェー、アイスランド、スイス、リヒテンシュタインは欧州自由貿易連合の参加国であり、他の国はすべてヨーロッパ連合に加盟しています。現在、ヨーロッパ連合加盟国のうち、イギリスとアイルランドはシェンゲン協定の一部のみに参加している状況ですが今後の情勢により変更や改訂となることも予想されており、世界的に注目を集めています。

シェンゲン協定導入に至るまでの歴史

1985年にシェンゲン協定が制定されましたが、そこに至るまでは長年にわたりヨーロッパを中心とした国際的な会議の場を必要としてきました。第一次世界大戦以前はそれぞれの国がパスポートを発行していましたが、国境において体系的な身元検査が行われていたかは不明で、多国間での渡航でパスポートは必要ありませんでした。しかし、戦争とその後の情勢において国籍というものが重要な問題となり、パスポート検査は多国間での渡航において必然的に実施されるものとなったのです。

1922年、アイルランド自由国建国直後、イギリスとアイルランドの両政府間での非公式な合意がなされ、両国間の国境の解放は継続することとなりました。この出来事を背景として、イギリス、アイルランド両国間で形成された共通旅行区域の存在と、イギリスがシェンゲン協定に消極的であったことからアイルランドもシェンゲン協定への参加を見送ることとなり現在に至ります。

1944年にベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの3か国)の各亡命政府は3国間での国境検査を撤廃する協定に署名し、1948年にシェンゲン協定の礎となる制度が発布されました。当時は大戦後の混乱期ということもあり、欧州各国の占領下となっていた国も次々と独立を果たしました。それと同時にヨーロッパ各国の相互連携のための集合体(後のEU:欧州連合)を目指す情勢が活発化したことにより、実に40年近くの歳月をかけて正式にシェンゲン協定が制定されたのです。その後1992年にはEC(欧州共同体)が導入され、1993年にはEU(欧州連合)と呼ばれるヨーロッパ地域を統合する機関の誕生に至りました。

シェンゲンビザの概要

シェンゲンビザの最大の特長はヨーロッパ各国共通で使用できる利便性であると言えます。シェンゲン協定加盟国内であれば訪問国ごとにビザを取得する必要がなく、自由に往来出来るという便利なビザです。シェンゲンビザを取得することによりヨーロッパ各国へ渡航を希望する際、渡航する全ての国のビザを個別に申請する必要がなく、シェンゲン協定加盟国内のビザを一つ取得すれば各国間を自由に往来することが出来ます。ビザの取得には各国の大使館や領事館に行き必要書類を揃え、審査を受けて発給という流れを経るため、かなりの時間やコストがかかることが懸念されていました。シェンゲンビザの導入により、渡航に該当するビザを取得していれば観光や短期の商用(商談や視察など)が認められ、どの加盟国でも自由に移動することが可能となります。ただし、無条件で各国へ入国できるという訳ではなく入国の際は必ず入国管理の審査を受ける必要がありますので、入国審査官より入国不適合と判断された場合は、入国拒否となってしまうこともあります。

現在、日本国籍者であればビザ免除協定が結ばれているためシェンゲンビザを取得していなくてもパスポートのみでヨーロッパへの渡航が可能ですが、ETIAS(エティアス)の導入は2025年を予定しています。導入後、ヨーロッパ渡航の際は事前にETIAS(エティアス)を取得する必要があります。ただし、既にシェンゲンビザを取得している方はシェンゲンビザでの入国が認められるため、ETIAS(エティアス)を申請する必要はありません。ETIAS(エティアス)は、90日以内の一般的なヨーロッパ旅行を希望される方が必要となります。91日以上の滞在を希望される方や就労または留学を目的として渡航を希望される方はETIAS(エティアス)申請の対象となりませんので、当該のビザ申請をご検討ください。
なお、ETIAS(エティアス)は空路のみではなく海路、陸路で渡航する際にも必要となりますので必ず申請の準備をお願いいたします。

シェンゲン協定加盟国

2024年現在、シェンゲン協定加盟国は以下の29か国となっています。シェンゲン協定加盟国はEU28か国のうちの23か国と、EFTA(European Free Trade Association:欧州自由貿易連合)の4か国によって形成されています。

  • オーストリア
  • ベルギー
  • チェコ
  • デンマーク
  • エストニア
  • フィンランド
  • フランス
  • ドイツ
  • ギリシャ
  • クロアチア
  • ハンガリー
  • アイスランド
  • イタリア
  • ラトビア
  • リヒテンシュタイン
  • リトアニア
  • ルクセンブルク
  • マルタ
  • オランダ
  • ノルウェー
  • ポーランド
  • ポルトガル
  • スロバキア
  • スロベニア
  • スペイン
  • スイス
  • スウェーデン
  • ブルガリア
  • ルーマニア

EU加盟国であるキプロス、アイルランドはシェンゲン領域には含まれません。

シェンゲンビザの種類について

シェンゲンビザには主にAビザ、Cビザ、Dビザと呼ばれる3つの種類があります。
それぞれ特有の制限を設けているため、渡航目的に応じてそれぞれの分類を理解し、ご自身に適したシェンゲンビザの申請を行う必要があります。

Aビザ

トランジット(乗り継ぎ)を目的としたビザはAビザと呼ばれます。
Aビザを取得することでシェンゲン協定加盟国の空港でトランジット(乗り継ぎ)をして第三国へ渡航することが認められます。

Cビザ

最も一般的なビザであり、短期滞在を目的としたビザです。
Cビザを取得することでシェンゲン協定加盟国での観光や親族訪問など、一度の渡航で90日以内の滞在が認められます。

Dビザ

長期滞在を目的とした方のためのビザです。
Dビザはシェンゲン協定加盟国を自由に往来できるものではなく、1か国のみでしか滞在することが出来ません。
Dビザを取得することで91日以上の滞在が認められますので、就労や留学など長期滞在を希望される方はDビザの申請をご検討ください。

就労や留学などを目的としたビザ

商用ビザ(Business Visa)

商用目的としてシェンゲン圏へ渡航する方に適したビザです。
1か国、あるいはそれ以上の国を渡航される場合に適用となります。商用関連目的のみを意図しているため、観光や行楽を目的とした渡航には適しておりません。また、商用ビザで市民権を取得することは認められておりません。

学生ビザ(Student Visa)

シェンゲン圏内の教育機関で学ぶことを保障されている学生に適したビザです。
学習目的でこのビザを取得する際に留学対象国の市民権は不要ですが、学生ビザを利用して移住権を得ることは認められておりません。

就労ビザ(Working Visa)

シェンゲン圏のひとつ、またはそれ以上の国で就労を希望される方に向けたビザです。
このビザでは申請者だけでなく、希望があればその家族にも訪問国の住民権を得ることが認められております。
就労ビザの制度はシェンゲン加盟国それぞれによって異なるため、国や就労先により無犯罪証明書の提示と、滞在に際し十分な資金があることの証明書(預金通帳のコピーや給与明細)を求められることがあります。他にも戸籍謄本や各種証明書が必要となる場合もありますので、就労ビザを希望される方は訪問国および就労先へのご確認を推奨いたします。

渡航の際にビザ取得が必要な方

一般的な観光や短期ビジネスを目的として渡航する場合は、ビザを取得することなくETIAS(エティアス)を申請することでシェンゲン協定加盟国を含む29か国への渡航が認められます。しかし、ETIAS(エティアス)申請の審査結果が「渡航認証拒否」と通知された方はETIAS(エティアス)での渡航は認められませんので、渡航目的に合わせたビザの申請が必要となります。ビザの申請方法や条件は国により異なりますので、当該国の大使館・領事館へお問い合わせください。

ビザ免除の条件とは

日本国籍の方がシェンゲン協定加盟国へ渡航する際はビザの取得が免除されますが、いくつかの条件が設けられています。

渡航目的が観光や短期ビジネスであること

ビザが免除される条件として、渡航の目的が健全であり、現地での就労や報酬を伴わない渡航であることが前提となります。現地での就職、長期滞在や永住などを目的として渡航する方はビザ免除の対象およびETIAS(エティアス)申請の対象となりませんのでご注意ください。ビザ免除対象者の主な渡航目的は下記に限定されます。

  1. 観光旅行
  2. 親族や知人への訪問
  3. 出張、商談、会議への出席
  4. 現地での撮影や取材
  5. スポーツイベント等の参加や文化交流
  6. 専門的な治療や療養
  7. 短期間の研修や訓練

一度の渡航が90日以内であること

シェンゲン協定加盟国は、観光や短期ビジネスなどを目的とした短期滞在用の圏内共通の査証として「シェンゲンビザ」を発行しています。日本国籍の方の場合、シェンゲンビザを取得することなく入国と滞在が認められますが、シェンゲン国境規則には「あらゆる180日間における最長90日」という滞在日数のルールがあります。

これは、1年の約半分である180日間はシェンゲン協定加盟国での滞在が認められますが、一度の渡航につき滞在が認められる期間は最長で90日以内とするというものです。詳しくは下記の枠内をご確認ください。シェンゲンビザの免除対象となる日本国籍の方は、シェンゲン協定加盟国内であれば原則として出入国審査をせずに自由に国を行き来することが認められますが、出入国の判断は国境の入国審査官や警察に委ねられる場合があります。

イギリスとアイルランドはシェンゲン協定の適用外となるため、両国とシェンゲン協定加盟国との往来には入国審査が行われます。

「あらゆる180日間における最長90日」とは

シェンゲン国境規則の「あらゆる180日間における最長90日」というルールにより、一度の渡航につきシェンゲン圏内での滞在可能日数は90日以内と定められています。この90日の解釈は、180日(半年)以内の滞在で合計90日間を超えてはならないという意味のため、例えば、一度の滞在が30日であればビザを取得せずに半年以内で3回の渡航が認められます。

一度の滞在日数30日×渡航回数3回=90日

一度の渡航で最長90日間の滞在も可能ですが、その場合は向こう3か月間(90日)はシェンゲン協定加盟国への入国および滞在は許可されませんのでご注意ください。一度の渡航で90日前後の滞在を希望する方や、一年を通して頻繁にシェンゲン圏内へ訪れる予定のある方は個別に主要国のビザ取得を推奨します。

パスポートの有効期限が3か月以上あること

シェンゲンビザの免除にはパスポートに関する条件も定められています。

  • 過去10年以内に発行されたICチップ搭載の機械読み取り式のパスポートであること
  • シェンゲン協定加盟国の出国予定日より3か月以上有効なパスポートを所持していること

現在、日本で発行されているパスポートは全てICチップ搭載の機械読み取り式です。パスポートの有効期限は目安として6か月以上の残存期間があれば入国に問題がないとされていますが、滞在国を出国する予定日より3か月以上の有効期限を有していなければなりません。
また、シェンゲンビザが免除されていても、シェンゲン協定加盟国およびその他のEU圏へ入国する際に入国審査を求められる場合があります。最初に入国するシェンゲン加盟国での審査に加え、シェンゲン圏の国境では入国管理官や警察官などによる任意の審査が行われ、入国の条件を満たしていないと判断された場合は入国拒否となる場合もあります。パスポートの有効期限に十分な余裕のない方はパスポートの更新を行った後に、具体的な渡航プランを立案することを推奨します。

シェンゲンビザ(短期訪問ビザ)とは2

シェンゲン圏での滞在可能日数を確認する方法

シェンゲン圏へ渡航する場合、シェンゲン国境規則として「あらゆる180日間における最長90日」という滞在日数についての規定があります。これは「180日(半年)以内において、シェンゲン圏内で滞在を認める期間は最長で90日とする」というもので、この90日の解釈は「合計90日間」という意味となります。

例えば、一度の滞在が30日であればビザを取得せずに半年以内で3回の渡航が認められます。
一度の滞在日数30日 × 渡航回数3回 = 90日

一度の渡航で最長90日間の滞在も可能ですが、その場合は向こう3か月間(90日)はシェンゲン協定加盟国への入国および滞在は許可されませんのでご注意ください。過去1年以内に何度かシェンゲン圏で滞在したことがある方は、今後シェンゲン圏内での滞在可能な日数や、圏内への入域可能日を確認できる方法があります。事例をもとに解説しますので、渡航前に滞在可能な日数を確認しておきましょう。

EC(欧州委員会)サイトのShort-stay Visa Calculator(短期滞在ビザ計算)のページへアクセスしてください。

シェンゲンビザ(短期訪問ビザ)とは3

例として、2020年3月17日よりシェンゲン圏を訪れる予定で滞在可能な日数を調べてみましょう。

日付けは 日/月/年(西暦の下2桁)の順で表示されます。日付けを変更する際も日/月/年の順で入力してください。
日付けは「基準日」と呼ばれます。日付けを入力して“Planning”(計画)を選択します。
すでにシェンゲン圏に滞在しており、あと何日滞在可能かを確認したい場合は“Control”(確認)を選択してください。

過去1年以内に3回にわたりシェンゲン圏へ渡航したと仮定し、下記の滞在履歴を入力します。
1回目 : 2019年11月1日~11月10日まで(10日間)
2回目 : 2020年1月1日~1月20日まで(20日間)
3回目 : 2020年2月1日~2月15日まで(15日間)

滞在履歴を入力した後に”Calculate”(計算)ボタンを押します。

右側の空欄に以下の内容が表示されます
Start of 90 days period : 19/12/19
   →で入力した基準日(2020年3月17日)より90日前は2019年12月19日である。
Start of 180 days period : 20/9/19
   →で入力した基準日(2020年3月17日)より180日前は2019年9月19日である。
The stay may be authorized for up to:55 day(s)
   →で入力した基準日(2020年3月17日)から起算した場合、シェンゲン圏での滞在可能日数はあと55日である。

ページの冒頭で説明したシェンゲン国境規則である「あらゆる180日間における最長90日間」というルールに基づくと、2019年9月18日以前にシェンゲン圏で滞在した記録についてはカウントされません。
で入力した基準日から起算した場合、シェンゲン圏での滞在可能日数はあと55日であることが表示されます。

ビザ免除制度を利用して滞在する際の注意事項

欧州のシェンゲン協定加盟国へ短期の旅行を希望する場合、日本国籍の方はシェンゲンビザを取得することなく渡航が可能であることをお伝えしてきましたが、ビザ免除制度を利用してシェンゲン協定加盟国へ入国する際の注意点について解説します。

滞在可能な日数のルール

シェンゲン国境規則の「あらゆる180日間における最長90日」というルールにより、一度の渡航につきシェンゲン圏内での滞在日数は最長で90日以内となります。この90日の解釈は、180日(半年)以内の滞在で合計90日間を超えてはならないという意味です。一度の滞在が10日であればビザを取得せずに半年以内で9回の渡航が認められます。一度の渡航で最長90日間の滞在も可能ですが、その場合は向こう3か月間(90日)はシェンゲン協定加盟国への入国および滞在は許可されませんのでご注意ください。長期滞在や頻繁にシェンゲン圏内へ訪れる予定のある方はビザ免除制度の対象外となりますので、個別に主要国のビザ取得をご検討ください。

ETIAS(エティアス)申請の対象であること

2025年よりETIAS(エティアス)が導入されるため、導入後にシェンゲン協定加盟国へ渡航を希望する方は事前にETIAS(エティアス)申請を済ませておく必要があります。ETIAS(エティアス)申請は乳幼児を含む未成年者も申請が必須となりますので、保護者の方は家族全員分のETIAS(エティアス)申請を忘れずにお願いします。(18歳未満と70歳以上は申請料が無料となる見込みです)
なお、以下に該当する方はETIAS(エティアス)申請の対象となりませんのでご注意ください。

  • 過去にオーバーステイの履歴がある方
  • 何らかの理由により強制送還の対象となった履歴がある方
  • 重大な犯罪歴のある方、重要な事案で係争中の方
  • 紛争中の国への渡航歴がある方

上記に該当する方でシェンゲン協定加盟国およびEU加盟国への渡航を希望する方は、シェンゲンビザの取得か主に訪問する国のビザ取得をご検討ください。シェンゲン協定加盟国1国のみを訪問する場合は、その国の大使館・領事館での申請が必要となります。2か国以上の加盟国を訪問する場合は、主要滞在先となる国の大使館・領事館にて申請を行ってください。主要滞在先がない場合は、加盟国の中で最初に訪問する国の大使館・領事館にて申請をお願いします。原則としてビザの申請は申請者本人にて行う必要があります。シェンゲンビザ取得手続きには2週間から1か月ほどの日数を要します。ビザが必要となる方は渡航プランに余裕を持って早めの手続きをお願いします。

シェンゲンビザに関するよくあるご質問

シェンゲンビザはどのような特長がありますか?

シェンゲンビザの最大の特長はヨーロッパ各国共通で使用できる利便性の高さです。シェンゲン協定加盟国内であれば訪問国ごとにビザを取得する必要がなく、自由な往来が認められます。
シェンゲンビザを取得する際は加盟国の大使館や領事館に必要書類を用意して赴き、審査と面接を経て発給となります。ビザを取得した方はシェンゲン加盟国の往来が可能ですが、入国の際は入国管理官による審査が必要です。また、有効なワクチン接種証明書などを提示できない場合は入国拒否となる場合があるため、渡航前に必要書類を確認しておきましょう。
※現在、日本国籍の方は「ビザ免除協定」によりパスポートのみでヨーロッパへの渡航が可能です。ただし、2025年に導入が予定されている電子渡航認証制度ETIAS(エティアス)の施行により、今後はオンラインでの事前申請が必須となります。ETIAS(エティアス)に関する詳細は「ETIAS(エティアス)申請とは」をご確認ください。

現在シェンゲン協定加盟国は何か国ですか?

2024年現在、シェンゲン協定加盟国は以下の29か国です。
シェンゲン協定加盟国はEU28か国のうち23か国と、EFTA(European Free Trade Association:欧州自由貿易連合)の4か国により形成されています。

オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、クロアチア、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スイス、スウェーデン、ブルガリア、ルーマニア

EU加盟国のキプロス、アイルランドはシェンゲン領域外となります。

シェンゲンビザにはどのような種類がありますか?

シェンゲンビザには主にAビザ、Cビザ、Dビザの3種類があります。それぞれ個別の制限を設けているため、特長を理解し目的に適したシェンゲンビザを申請してください。

Aビザ
トランジット(乗り継ぎ)を目的としたビザです。シェンゲン協定加盟国の空港で乗り継ぎ、第三国へ渡航する方が対象となります。
Cビザ
最も一般的なシェンゲンビザで、短期滞在を目的とする方が対象となります。
シェンゲン協定加盟国での観光や親族訪問など、一度の渡航で90日以内の滞在が認められます。
Dビザ
就労や留学など91日以上の長期滞在を目的とした方が対象となります。
Dビザはシェンゲン協定加盟国を自由に往来できるものではなく、滞在は1か国のみとなりますのでご注意ください。
ETIAS(エティアス)とはどのような制度ですか?

ETIAS(エティアス)とは、ヨーロッパ渡航に必要となる電子渡航認証制度です。2025年の導入が予定されていますが、具体的な時期や詳細などは今後発表される見込みです。申請はオンラインのみとなり、期限が有効なパスポートとクレジットカードが必要となります。現段階で想定されるETIAS(エティアス)の主な入力事項は以下の通りです。

  • 氏名、性別、生年月日
  • パスポート番号、パスポートの発行日、パスポートの有効期限日
  • 現住所、国籍、出生地
  • メールアドレス、電話番号
  • 最初に入国を予定している国
  • 現在の就労先または在学先に関する情報

上記に加え過去の犯罪歴や渡航履歴など、入国の適性を判断するため幾つかの質問に回答する必要があります。ETIAS(エティアス)は申請から審査結果が通知されるまで最大4週間程かかる場合があります。導入後はヨーロッパへの渡航が決まった段階で申請を行うことを推奨します。
ETIAS(エティアス)の申請方法に関する詳しい内容は「ETIAS(エティアス)の申請方法」をご確認ください。

一度の渡航で90日間滞在した後、すぐにシェンゲン協定加盟国へ渡航することは可能ですか?

一度の渡航でシェンゲン協定加盟国に90日間にわたり滞在した場合、その後3か月間(90日)は加盟国への渡航は認められませんので注意が必要です。
シェンゲン圏へ渡航する場合、シェンゲン国境規則として「あらゆる180日間における最長90日」という滞在日数についての規定があります。これは「180日(半年)以内において、シェンゲン圏内での滞在可能期間は最長90日とする」という意味で、この90日の定義は「合計90日間」を指します。

例えば一度の滞在が30日の場合は、シェンゲンビザを取得せず180日(半年)以内に3回の渡航が認められます。
例:一度の滞在日数30日 × 渡航回数3回 = 90日

過去1年以内にシェンゲン圏での滞在歴がある方は、滞在可能な日数や入域可能日をEC(欧州委員会)サイトのShort-stay Visa Calculator(短期滞在ビザ計算)のページにてご確認ください。

更新日 : 2024/03/12